現地レポート
全国大会 奨励賞!!
2024.09.19
待ちに待った全国大会が開催されました!
こんにちは!山形市の工務店 飯野建築の飯野です!
9月14~16の3連休、愛媛県松山市で技能競技大会の全国大会が開催されました。
弊社の神保が出場することになったので、社長の私も引率で一緒に行くことに。
神保は今回で、年齢制限のため最後の参加になります。
全国大会に参加する本人の意気込みとしては、悔いのないように納得のいくものをつくって入賞を目指したいということでした。
●全国大会・会場への道のり
松山市までは、山形空港から羽田空港行きで出発。羽田空港から乗り継ぎをして松山空港へ行くルート。
二人とも久しぶりの飛行機で、わくわくしていて楽しみと期待でいっぱいで初日の開会式にいくはずだったのですが…。
なんと神保が山形空港に預けた手荷物の手続きにミスがありました。
羽田空港内には届いたものの、到着側のターミナルで手荷物が止まっていました。
この事に気付いたのは乗り継ぎ先のターミナルに着いた頃。荷物を取りに行くことになり、時間に間に合わず乗り継ぎを失敗。
開会式に出ることは難しくなりました。
それより肝心なのは全国大会への出場です。
選手は開会式の後に道具検査をしてから翌日の大会に出るのです。
この時は「開会式に出ないと大会に出られないのではないか?」と心配な気持ちでいました。
とにかく大会本部に事情を説明し、大会に出られるように必死に交渉。
その結果、大会当日の朝早くに道具検査を受ければ出してもらえることに。不幸中の幸い、大会本部の温かいご対応に感謝の気持ちでいっぱいになりました。
飛行機も、3連休の中で奇跡的に夜8時の便を予約できたので、ホッとしました。
ハプニングはあったものの、ある意味運が良くて助かりました。
しかしここから、次のフライトまで7時間。羽田空港のターミナルで時間を調整することに。
まずは腹ごしらえで昼食をとり、職員の人に聞いたところ国際線のある第3ターミナルの方がいろいろ商業施設があるということだったので、無料バスで移動しました。
そこには飲食店やお土産屋さんがたくさん並んでいます。
この日はたまたま全国のお酒を飲み比べするイベントもやっていました。
ここは参加して、トラブルの事を忘れて次の日に挑む作戦にしました(笑)
お酒は日本酒とワインが多かったのです。
中には山形の酒造も参加しており、地元の話で盛り上がったり、他県のお酒造りや風土の事を聞くことができました。
ただ、盛り上がってしまったので…。
私はお酒が弱いのですが、うっかり飲みすぎてしまいベロンベロンに(-_-;)
次のフライトでエチケット袋を使うはめにならないようにと、とにかく水を飲みました。
その他にも、世界2位のジャグリングプレーヤーの方のパフォーマンスをみたりして時間を楽しく過ごすことができました。
楽しませていただいた後、荷物の受け取りと、松山行きの飛行機に乗ることを無事に済ませることができました。
そしてホテルに着いたのは夜10時。次の日に備えてすぐに寝ることになりました。
●全国大会・現地の様子
無事、早朝に道具検査を受けて会場に入りました。
全国大会の会場は愛媛県武道館。
武道館の隣には、夏目漱石の作品名が付いた【坊ちゃんスタジアム】がありました。
愛媛ではミカンと坊ちゃんをいたるところでみかけます。その他、松山城や道後温泉などの歴史的建造物、夏目漱石や正岡子規などの文豪たちの情緒を感じられる街という印象でした。
街には路面電車が走っていて、中心部はとても栄えている印象です。Googleで調べてみると四国で一番人口の多い都市が松山市ということでした。
武道館も木をたくさん使っている仕様で立派な建物でした。
会場の中は各選手の道具と材料が用意されており、大会特有の緊張感がありました。
私は前日のトラブルが、神保のメンタルに影響がないといいなと思いながら祈っていました。
●競技開始!
そして、全国大会の競技がはじまりました。
最初は、大きな紙に原寸図という実物大の設計図を書きます。
私から見た神保の様子は、若干焦っているような感じがしました。若干いつもよりペースが遅いような…。
次の工程に移る選手が出てくると、少しずつトントン・コツコツという道具をたたく音が会場に鳴り響きました。
選手としては、次の工程の音が聞こえてくるとなおさら焦ります。これが大会のプレッシャーです。
でも、条件はみんな一緒です。それに打ち勝つ者が結果を出すのでしょう。
神保は最初は緊張気味だったものの、ペースは順調でした。
全国大会の課題は、40年間ずっと【四方転び】という、踏み台のような形のものです。
個人的には、一般の人でも解りやすい独創的な課題にしたらいいのにと思っています。しかし、この四方転びにはたくさんの技術が詰まっています。
まず前提として、工程のほとんどを手道具で加工するということです。
そして材料をひし形に加工したりと難易度が高いです。
今では、電動工具で誰でもきれいにまっすぐ切ったり、穴をあけたりできます。ですが、それにより手道具を上手に使えたり、道具の刃物をちゃんと研ぐことができる職人が少なくなりました。
この課題を極めることで、道具の手入れから繊細な手作業まで習得することができます。
電動工具があるからそんな技術いらないだろう、という方もいるかもしれません。ですが、繊細な造作などは手仕事の技術が基本になります。
それがあっての電動工具をつかうのとそうではないのではクオリティが違います。
神は細部に宿るのです。
そして約6時間半の競技が終了しました。
神保的には少し気になるところがあるといっていましたが、ちゃんと完成しているし、見た感じはきれいだと思いました。
●全国大会の結果は…
全国大会の審査結果は、翌朝に発表されます。
結果は奨励賞でした。
奨励賞とは入賞の次の賞です。以前も奨励賞を取ったことがあるのですが、今回はその奨励賞のなかで1番いい成績。そのため、表彰式で代表して賞状を受け取ることになりました。
あと1つ順位を上げれば入賞というとても惜しい結果だったのですが、賞を全国大会で受賞すること自体すごい事です。自己記録を更新したのでいい結果だったと思います。
神保本人も悔いはないそうです。
今後は弊社の若者が全国大会に出場できるように指導していくそうです。
若い職人の技術向上に尽力することは、お客様に提供するクオリティの向上にも繋がります。
全国でも少ない大工職人を育てることは世の中に貢献することになりますので、積極的に取り組んでいきたいと思っています。
私はこの大会を通して、改めて職人さんの素晴らしさや一生懸命取り組んでいる姿に感銘を受けました。
微力ながら地域と業界に貢献できればと思います。